喘息の子供さんは、寝ている間に急に咳こんだり発作が起きる事が多く、寝室の環境はとても重要です。
今回は、子供さんの喘息が悪化しないようなベッド周りの対策や、おすすめのベッドの機能をご紹介します。
目次
喘息の原因と発作について
「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」という音がする小児喘息の多くは、アレルギー反応によるものです。ホコリやカビ、ダニ、花粉、動物、昆虫などの空気中のアレルゲンを吸うことによって喘息を発症します。
また、刺激に弱い子供の気管支は、ストレスや気候、たばこの煙など、アレルゲンではないものでも発作の原因となります。
ベッド周りから子供の喘息の原因を取り除くことが大切
子供の喘息の発作は、夜寝ている時に起こることが多いですよね。ですので、ベッドの周りから、喘息の発作の原因となるものを取り除くことが大切になります。
毎日寝ているベッドや布団には、カビやダニが潜んでいる場合が非常に多いので、カビ・ダニ対策は必須です。
特に梅雨の時期は要注意。湿気が多いとカビが生えやすくなったり、ダニも発生しやすく、それが発作を引き起こすことになってしまいます。
もちろん毎日掃除をきちんとして、ハウスダストや花粉、ほこりなどを取り除いておくことは言うまでもありません。
発作が起きた時に対処しやすいベッドを選ぶ
喘息の発作が起きた時のことも考えておきましょう。お子さまのつらい症状にすぐに対応できたり、喘息の治療に必要な器具が使いやすいかどうかも大切ですよね。
ベッドのデザインや形状も大事なポイントとなります。
以上のことを踏まえて、喘息のお子さまにおすすめのベッドを見ていきましょう。
喘息の子供におすすめのベッド
これからどんどん成長する子供にベッドの購入を考えている人も多いと思います。
そこでここでは喘息持ちの子どもにおすすめなベッドや、発作が起きた時でもすぐに対応できるようなベッドの特徴をいくつかあげていきます。
高さが30cm以上あるもの
夜寝静まった寝室で、一番ほこりが舞うのは、床から約30cmの高さと言われています。
よって喘息の子供さんを寝かせる場合は、高さが30cm以上あるベッドが必須。マットレスと合わせた時の高さがどのくらいになるのかを事前にちゃんとチェックしておきましょう。
布団を乗せて使う場合も同じです。
脚付きベッド
一番大切なのは、ベッド下の掃除がしやすいということ。脚がないフロアタイプや引き出し収納タイプでは、どうしてもベッドの下にほこりがたまりがちになってしまいます。
脚付きベッドだと、ベッド下もしっかり目で確認しながら掃除ができますし、風通しがいいので湿気対策にももってこいです。
できれば掃除機が入るくらいの高さがあるものがおすすめです。
もたれやすいヘッドボードがあるもの
もし発作が起きた時は、45°くらいの角度で座らせてあげると効果的です。
ヘッドボードがついたベッドなら、ボードを利用して背中や腰部分にクッションなどを入れて座らせてあげることができます。キャビネットがついたヘッドボードでもいいのですが、もたれにくいとかえって不便ですので、できれば1枚の板のシンプルなヘッドボードがおすすめです。
ベッドを壁につけることができるなら、ヘッドボードがなくても大丈夫です。
宮棚がついているもの
宮棚は、喘息の発作が起きた場合に必要になる水などを、すぐ手が届く範囲に置いておけ、とても便利です。そのほかにもネプライザーや吸入器を置いておく方もいらっしゃいます。
ライト付きベッド
喘息の発作は寝ている時に起こることも多いです。ベッドについている照明は、部屋の電気よりもリラックスができるようなほんのりとした明りのものが多いので、パニックになってしまう喘息にも効果的。冷静に対処することができますよ。
また、暗闇の中で必要な器具を探す時にも、さっと灯りをつけることができるので便利です。
喘息が起きないようにベッド周りでできる対策について
上記では、喘息の子供さんにおすすめのベッドの選び方をご紹介しましたが、喘息が起きないようにベッド周りでできる対策についてもご紹介しておきます。
布団を頻繁に干す
ベッドの上に布団を乗せて使っている方も多いでしょう。もし布団を干さずに放っておくと、人間の汗やフケが大好物のダニが繁殖してしまう原因となります。
布団はマットレスに比べると軽くて干しやすいので、最低限週1回は干すようにしましょう。
取りこむときは、表面のホコリやダニの死骸、フケなどをなでるように払い落しましょう。布団たたきでバンバン叩くのは、ダニが布団やマットレスの奥の方に逃げてしまうのでおすすめしません。
ぬいぐるみは手洗いで清潔に
大好きなぬいぐるみを置いている子供さんも多いですよね。でも、ぬいぐるみを頻繁に洗っているという人はかなり少ないのが現実。まだ一度も洗っていないなら、そのぬいぐるみがダニの住処になっているかもしれません!
ぬいぐるみのせいで子供の喘息が悪化しないように、すべてのぬいぐるみを丁寧に手洗いし、天日干しをしてダニ対策をしましょう。
マットレスや布団の下の通気性をよくする
誰もが油断してしまうマットレスの裏側。実は一番カビが生えやすい場所なんです。
寝ている間にかく汗はコップ一杯分と言われていますが、その汗の湿気はマットレスの下側へ溜まっていくのです。
マットレスを干すのは重いし大変ですが、一か月に一回は干すようにしましょう。
掃除機はできるだけ毎日かける
喘息の敵、ホコリ・ダニ対策をするには掃除機をかけることが効果的です。床だけでなく、マットレスや布団にもしっかり掃除機をかけましょう。
ゆっくり掃除機をかけることによって表面のダニの死骸や糞を取り除くことができます。掃除機でダニを完全に除去できる訳ではないのですが、天日干しよりも効くという説もあるんですよ。
部屋全体に掃除機をかける場合は、床より上の棚などを先に掃除してホコリを落としてから、床を掃除しましょう。掃除機の後に拭き掃除をしてあげるとさらに清潔になるのでおすすめです。
花粉の季節は布団乾燥機を使う
上記で布団を頻繁に干すといいと書きましたが、春や秋は花粉が多く飛んでいる時期でもあります。そんな時に布団を天日干ししてしまうと、喘息が悪化する原因になりかねません。
そんな時期には布団乾燥機を使うことをおすすめします!簡単に布団を乾燥することができ、ダニの繁殖を防ぐことが出来ます。
ただ、死滅したダニがそのままになっているので、乾燥器をしたあとに掃除機などで吸い取ってあげることが重要です。
除湿シートを敷く
湿気を吸い取ってくれる便利な除湿シート。マットレスや布団の下に湿気の逃げ道がない場合は、除湿シートを敷いておきましょう。寝ている間の汗がたまりにくく、清潔に寝ることができます。
まとめ
小児喘息の発病年齢は、6歳以下では約90%とも言われています。
女の子より男の子のほうが2倍も喘息を起こしやすいと言われていますが、その小児喘息も成長するにつれて症状が軽減したり、治る子どもも多いでしょう。何年かの間かもしれませんが、子供さんが小さい時ほど、しっかりしたケアが大切です。
お父さん、お母さんは喘息の発作が起きるたびに子供さんと一緒につらい思いをすることも多いでしょう。少しでもそんな辛さが軽減されるようになれば幸いです。