大学での一人暮らしや、新社会人になってベッドを買うにあたり「安くておしゃれなベッドを探していて、フロアベッドに行き着いた」という方は多いですよね。
また、赤ちゃんや小さいお子さんと寝るのに、低いベッドが欲しくてフロアベッドを考えている、というお母さんもいらっしゃるでしょう。
フロアベッドにすると、狭い部屋にも開放感が生まれますし、普通の高さのベッドと比べるとはるかに部屋がおしゃれに見えます。赤ちゃんがいるご家庭では、ベッドから落ちても安心というメリットもありますよね。
ただ、ベッド自体が床にべたっとくっついているため、湿気やカビが気になるという方も多いです。実際のところ、脚があるタイプと比べてどっちがいいんだろう、という疑問もわきますよね。
こちらでは、そんな方のために、フロアベッドのメリットとデメリットをご紹介します。あとで後悔しないためにも、購入前にぜひ読んでおいてくださいね。
フロアベッドとは
そもそも、フロアベッドとはどういうものなのでしょう。
床にべた置きするタイプのベッド。
脚がないので床板がフローリングや畳に直接べったりくっつくことになります。(もしくは、少しだけ床板の下に隙間があるものもあります。)
全体に床からとても低い位置で寝るスタイルとなります。
フロアベッドの構造には、大きく分けて次の2種類があります。写真で見てみましょう。
- フレームの上にマットレスを直に乗せるタイプ
- フレームの中にマットレスを落とし込むタイプ
直乗せタイプはフレームの上にマットレスを乗せているだけ。一方落とし込みタイプは、フレームの枠の中にマットレスを埋め込むイメージです。同じマットレスを使うなら、落とし込みタイプの方がより低い場所で寝ることになります。
単純に「低いベッドがいい」という方なら、脚が短いタイプの「ローベッド」もおすすめです。脚があるので、ベッド下の掃除がしやすいといったメリットがありますよ。
フロアベッドを選ぶメリット
では、フロアベッドを選ぶメリットについて見ていきましょう。
部屋の開放感&おしゃれ度がUPする!
口コミやレビューでも絶賛されているのが、お部屋に開放感が生まれることと、おしゃれな見た目。ロースタイルのベッドは初めてという初心者も、置いてみるとそのカッコよさに大満足される方が多いです。その満足感は快適な眠りにもつながりますよ。
価格を安く抑えることができる
価格が安いというのは、フロアベッドを選ぶ大きなポイントです。そもそもフロアベッドが安いのは、木材の量が少なくてすむのと、強度があまり必要でないからです。
一人暮らしで、価格を抑えて寝心地にこだわりたいという方は、「安いフロアベッドに高級なマットレスを合わせる」という選択肢もおすすめ。
中にはフレームのみで1万円を切るような激安のフロアベッドもありますが、そこにはフレームの強度はほぼないと思っておいてください。構造を考えると、耐荷重などの強度は必要ありませんから。
和室に合わせるとおしゃれ
賃貸マンションなどでは、間取りの関係で和室にベッドを置くケースもあるでしょう。そういう時こそフロアベッドがおすすめです。
布団寝と同じように低い位置で寝ることができますし、脚がないので、畳を凹ませたり傷つけることもありません。大切な畳を守れるのは、大きなメリットですね。
天井が低い寝室にも合わせやすい
屋根の勾配で斜めになった勾配天井や、天井が低い部屋には少しでも背が低いベッドを置きたいですよね。そんな部屋にはフロアベッドが最適。脚があるのとないのとでは、最低でも10cmくらいは高さが変わってくるからです。
特に勾配天井の場合、空間の使い方はとても大事。圧迫感も減り、快適に寝られますよ。
(参考)勾配天井の寝室にベッドを置くときに気をつけたい5つのポイント
また、ロフト付きのお部屋の2階にもおすすめです。
ベッド下にほこりがたまりにくい
フロアベッドは、ベッドの下にすき間がないので、ほこりがたまりにくい構造といえます。
「健康にも被害が!ベッド周りのほこりの原因とたまりやすい場所」でも書きましたが、ベッドの下って本当にほこりがたまりやすい場所。忙しくてしょっちゅう掃除ができない方にとっては、フロアベッドは掃除の点ではメリットになるでしょうね。
ただ、やはり長期間使っているとわずかなすき間からほこりやゴミが入り込んでしまうことはあります。「フロアベッドを移動してみたら結構ほこりがたまっていた」、という声も実際にはよく聞きます。
いずれにしても、定期的にベッド下の掃除をすることは大切ですね。
大柄な人が使っても壊れにくい
脚がついたタイプのベッドだと、体重100kg超の大柄な人が使うと壊れないかも心配ですよね。その点フロアタイプなら、床にべた置きなので荷重が分散しやすいというメリットがあり、比較的壊れにくいといえます。
小さいお子さんが落ちても安全
パパやママが赤ちゃんや小さいお子さんと一緒に寝る場合、フロアベッドはとても安心。お子さまが落ちてもケガをする危険もなく、安全に使えます。添い寝やお昼寝にもぴったり!
寝相が悪いお子さんにもおすすめです。
ペットが上り下りしても安心
チワワやトイプードルなどの小型犬や、猫やうさぎ、フェレットなどのペットを室内で飼う場合、ベッドに上り下りする時や飛び降りた時に足を骨折してしまうことも多いようです。
夜、大切なペットと一緒に寝る方は、フロアベッドだとペットのケガを気にすることなくぐっすり寝られますよ。
軽いので、移動が楽
フロアベッドは、フレームに使われる木などの素材が少ない分、軽いので移動が楽です。
しょっちゅう模様替えをする方や、マメにお掃除をする方にとって、移動しやすいというのは大きなメリットですね。
フロアベッドを選ぶデメリット
一方、脚付きタイプと違って床にべた置きすることや、とても低い位置で寝ることで、フロアベッドにはいろいろなデメリットが生まれます。
ベッド下に湿気やカビが生えやすくなる
寝ている間にかいた汗、空気中の湿度、窓や床の結露。ベッドの周りは湿気やカビの原因がいっぱい!
フロアベッドの場合、「マットレス>床板>床」と、すべてがぴったりとくっついていることになりますので、脚付きのベッドと比べると、湿気の逃げ道がとても少ないのがデメリットです。
もしあなたの寝室が気密性が高く、風通しがよくない部屋なら、フロアベッドはやめておいた方が無難です。
それでもフロアベッドがいい!というなら、床板がすのこになったフロアベッドがおすすめ。床などの低い位置の湿気対策に効果があります。
誤解しないでほしいのが、風通しがいいお部屋ならそれほど問題はないということ。また、汗かきが心配な方は、汗取りパッドなどのシーツで湿気対策をすることができます。
(参考)フロアベッドで通気性がいいのはどれ?4つのタイプで検証!
(参考)ベッドの「湿気」と「カビ」の話~正しい知識で賢い対策!
床に舞うホコリを吸いやすくなる
花粉症や喘息、ハウスダストアレルギーなどをお持ちの方には、フロアベッドを含め、低いベッドはおすすめできません。
夜寝静まったとき、床から30cmくらいの空間には、花粉やホコリなどのハウスダストが多く存在しているといわれています。フロアベッドだと、まさにその空間で呼吸をすることになってしまうのです。
掃除が苦手な方も、注意が必要です。
(参考)低いベッドは「30cmの低さ」にこだわって選ぶのがおすすめ
フレームの強度や耐久性が低く壊れやすい?
フロアベッドのフレームは意外と不安定で、耐久性が弱いものが多いです。押すだけでフレームが歪んでしまったり、サイドフレームが曲がったり「くの字」に折れてしまった、などのレビューも。
これは、フロアベッドは耐荷重などの強度があまり必要ないのが原因です。そのため、中に敷くすのこも他のタイプに比べると貧弱なものが多いのです。
「マットレスを乗せてしまえばあまり気にならない。」という口コミもありますが、長く使うなら、日本製の頑丈な造りのものがおすすめです。
フレームとマットレスの間に隙間ができてしまう
口コミやレビューで多いフロアベッドの欠点は、フレームとマットレスの間にすき間ができるというもの。落とし込みタイプに限りますが、ひどいものだと隙間が5cmにもなることが!
これでは、フレーム内でマットレスの横ずれが起きますし、小さいお子さんが足を挟むと危険です。また、隙間にゴミやホコリがたまりやすく掃除も大変など、忙しい方には不便ですね。
実は、これはいろいろなマットレスに合うよう、フレームが少し大き目に作られていることが原因なのです。
よって、セットするマットレスの種類によって隙間の大きさも変わると思っておいてください。
購入時には、フレームの内寸とマットレスのサイズをチェックし、隙間がどのくらいになるか確認しておきましょう。シーツの生地によっても、隙間は若干変わりますよ。
つまづきやすいので危険
フロアベッドのようにかなり低いタイプは、どうしても足元が視界に入らず、フレームの角でつまづいて転んでしまうことが多くなります。木製のフレームは角が鋭いので、打撲だけでなく切り傷や擦り傷もひどくなってしまいます。おっちょこちょいや小さいお子さんには、要注意です。
心配な方は、フレームがレザーでできたものがおすすめ!つまづいた時でもクッション性があり、大きなケガをすることもないでしょう。小さいお子さんにも安心です。
寝起きの際、身体に負担がかかる
ベッドが低いと、その分寝たり起きたりするときの動作に負担がかかります。腰痛をお持ちの方やお年寄の方には、フロアベッドの低さがかえってデメリットになるでしょう。
毎日のことですので、身体への負担のこともよく考えてくださいね。
ソファ代わりに腰かけることができない
一人暮らしだと、ベッドをソファ替わりにして、腰かけたり背もたれのように使う方もいらっしゃるでしょう。地べた座ってベッドにもたれて過ごしていました。
フロアベッドは、そういった使い方ができません。一人暮らしの場合は、他になにかくつろげる家具を購入する羽目になることが多いので、ご注意くださいね。
ベッド下に収納ができない
フロアベッドの下には収納ができません。6畳などの狭い部屋で収納スペースが少なくなるのは、洋服が多い女性には特にデメリットになるでしょう。あらかじめ、全体の収納スペースを考えておく必要があります。
実店舗での展示が少ない
現在、フロアベッドはネット通販での販売が圧倒的に多く、実店舗ではあまり売られていません。そのため「実際の商品を見て買えない」というのがデメリットともいえます。
ネット通販で購入する場合は、商品説明やスペックなどを事前にしっかり確認するようにしましょう。
おすすめの安くて高品質フロアベッド2選
最後に、上記のメリットを生かし、かつデメリットを克服した秀逸なフロアベッドをご紹介します。
すのこ仕様フロアベッド【Breeze】ブリーズ
フロアベッドの弱点である「湿気」と「フレームの耐久性の低さ」を解決してくれる商品です。
落とし込みタイプですが、床板にすのこを敷くことで、ベッド下に空間ができ、通気性がよくなるようになっています。しかもそのすのこはLVLすのこという、非常に強度の高い設計ですので、重いマットレスも安心して置くことができますよ。
また、サイドフレームがたわみやすいという弱点は、中央にたわみ防止ワイヤーを張ることで解決。引っ張っても開きにくく、かっこいい形を保ちます。
棚・コンセント付きフロアベッド【Geluk】ヘルック
発売以来15万台の売上を誇るフロアベッド。最近これまでのデメリットが修復され、商品がリニューアルされました。
フロアベッドのデメリットで一番多かった「フレームとマットレスの隙間」が大幅に改良されたのがポイントです。
シングルサイズで見ると、フレームの内寸が102cmなのに対し、マットレスの幅は97cmですので、左右にそれぞれ2.5cmほどの隙間しか空きません。シーツの厚みを考慮すると、ほぼ隙間は気にならず、それでいてシーツの交換などのベッドメイキングもしやすい、理想的なサイズとなりました。(商品によって若干の誤差は生じます)
まとめ
フロアベッドは、おしゃれな開放感のあるインテリアにできる反面、さまざまなデメリットがあります。ただ、それはどのベッドに置いても同じことです。
自分の目的やインテリアスタイルに合わせて、どのメリットを重視するのか、どうやってデメリットを補うのかをよく考えて、至極の一品を選んでくださいね。