和室にベッドを置くと、違和感が出るんじゃないかと思ってはいませんか?
ベッドはもともと洋室に置く家具として作られたものですので、和室に置くというイメージではありません。
ただ、最近では和モダンインテリアや古民家インテリアなど、和風のテイストの人気が高まっています。
私自身、畳や障子の雰囲気が大好きで、畳の部屋がないなんて考えられません!モダンな壁よりも、漆喰や珪藻土の壁の方が雰囲気もよく、心が安らぐと思っているくらいです。
そんな和室にも見事に調和するベッドを選びたいと思いませんか?
今回は、インテリア上級者がどんなことに気をつけてコーディネートしているのか、また和室の雰囲気を損ねずにベッドを置くためには、どんなベッドを選べばいいのかについてご紹介していきます。
そのために、まず和風インテリアのイメージを決める4つの要素を押さえておきましょう。
1. ベッドの高さ
低いベッドが最適
和室に合うのは、高さの低い家具。ベッドも例外ではありません。古来からある日本の「床座スタイル」の和室に一番似合うのはフロアタイプのベッドです。
視線を低めに集めることで、床座スタイルが崩れることもありませんし、和の空間をよりおしゃれに演出できますよ。布団と同じような感覚で寝られる、脚がないので畳を傷つけにくい、といったメリットもあります。
高さのあるベッドは色や素材を工夫する
どうしても和室に高さのあるベッドを置くケースもあるでしょう。押入れだけでは収納スペースが足りない場合は、引き出し収納ベッドがとても便利です。
そういった場合はベッドが高くなりますので、次にあげる色や素材に和のテイストを取り入れるようにしましょう。
違和感なく、素材によってはより和室らしい雰囲気を出すことも可能です。
2. ベッドの色(カラー)
和室に合うベッドの色とはどんな色でしょう。和風のインテリアの特徴的なカラーは「茶色っぽい木の色」「自然の素材そのものの色」になりますので、そういった色にあうフレームを選んでいきます。
「白・ホワイトアッシュ」
「白」は漆喰(しっくい)やぬりかべ、なまこ壁を連想させるカラーです。また、和モダンなインテリアでは、建材に白木が使われている和室も多いでしょう。
そういった和室に合わせる場合は、フレームが白やホワイトアッシュのベッドを選ぶと和室のカラーに溶け込み、違和感のないインテリアに仕上がります。
「ブラウン・ベージュ」
古民家風スタイルの和室なら、フレームがこげ茶に近いダークブラウンのものがよく合います。民芸調の家具に使われているようなかなり濃い茶色のイメージです。
また、ベージュ系のカラーは和モダンなスタイルの和室によく合います。和モダン・ジャパニーズモダンとは、もともと数寄屋造りのような簡素な空間と洋風の暮らし方をミックスさせたスタイル。その中に淡いベージュやナチュラルカラーのベッドを置くと、おしゃれ感がぐんとアップします。
「黒・紺」
黒は、漆黒の漆(うるし)を連想させます。モダンなカラーの代表ですが、木製の黒いフレームは和室の雰囲気をぐっと引き締め、センスのいい部屋にする効果が抜群!
また、紺色は和を代表する藍染につながる色。紺色のフレームのベッドはなかなかありませんが、シーツカバーに取り入れると一気におしゃれな和室にすることができます。
「黄緑・淡いグリーン」
こちらは、い草や竹を連想させるカラー。い草を使った畳ベッドを和室に取り入れるのもいいでしょう。ただ、畳ベッドの畳の部分はマットレスや布団で隠れてしまいますので、フレームのカラー選びの方がポイントになります。
3. ベッドの形(フォルム・ライン)
直線的なライン
和室のイメージは、直線や骨太なラインが特徴です。障子の格子柄や畳のへりなどは、真っすぐな直線が生かされたデザインですよね。
特に和モダンな和室では、よりその傾向が強いので、丸みを帯びた曲線が入ると違和感が出てしまいます。ベッドのフレームもカーブの少ない直線的なフォルムのものを選びましょう。
有機的な曲線
古民家では、樹木の形を生かしたような有機的な曲線の建具や家具が似合います。ベッドのヘッドボードや脚にゆるやかな曲線のあるものもおすすめ。
ただ、樹木の形を生かしたような、というところがポイントですので、後述する「素材」も重要となってきます。
4. フレームの素材・質感
天然木が使われたフレーム
無垢材や天然木の突板を使用したフレームは、木目の美しさや天然の木の色みが和室にぴったりとマッチします。
ただ、価格がかなり高くなりますので、一般的には自然の木の木目がプリントされた化粧合板のフレームが売れ筋でしょう。このとき、表面が強化樹脂で仕上げられたものがおすすめです。安いプリント化粧版のフレームよりも傷や汚れに強く、お手入れも簡単です。
床板がい草でできているもの
床板がい草で作られている「畳ベッド」は和室に置くベッドとしてはぴったり!洋室に和室の雰囲気を作りたい時にもおすすめのアイテムです。
最近では和室がない賃貸マンションも多いですので、畳べッドを小上がりとして使うのもアイディアです。
まとめ
インテリアは、自分で選んだベッドやタンスなど、1つ1つが積み重なって出来上がります。デザインの選択肢が豊富な今、選ぶときの基準をもつことがとても大事。
和のスタイルが好き!という方は、上記の要素を基準にして家具を選んでいくと、統一感のあるおしゃれなインテリアに近づけることができるのです。
慣れてきたら、異素材のものを取り入れたりして変化にチャレンジすると、また楽しみも増えていくでしょう。
和室にベッドを合わせるときは畳への注意も必要です。
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