生後5、6か月くらいを過ぎた赤ちゃんと一緒に大人用ベッドで寝ていると、いつベッドから落ちてしまわないか心配ですよね。そのころの赤ちゃんは頻繁に寝返りを打ったり、知らない間にハイハイをしてベッドの上を動き回ります。
おそらくベッドガードなどで対策はしているでしょうが、寝相が悪い子はガードがない足元の部分から落下してしまうこともあります。
また、つかまり立ちをするようになると、ベッドガードを乗り越えて転落する子も! これは大変危険ですね。
本来は赤ちゃんはベビーベッドで寝かせるのが一番安全ですが、ベビーベッドで寝るのを嫌がる子もいますし、置く場所がない場合もあるでしょう。
今回は、大人用ベッドでの赤ちゃんの落下について、ベストな対策をご紹介します。
転落した場合、打ちどころによっては大変な怪我をすることも(最悪は死亡することも)あります。しっかりと対策をしておきましょう。
目次
本来はベビーベッドが一番安全
大前提として、赤ちゃん(特に乳児のあいだ)は大人用のベッドで添い寝をするのではなく、専用のベビーベッドで寝かせるのが一番安全だと言われています。
ベビーベッドは、転落の危険だけでなく他の危険からも赤ちゃんを守ってくれます。大人と一緒の布団で寝ると、その布団の厚みで窒息してしまったり、家族の身体で圧迫されてしまったりするのです。
(参考)0歳児の赤ちゃんの窒息死を防ぐ~ベビーベッドが効果大な理由
また、ベビーベッドは、四方がしっかりと柵で囲まれていますので、ベッドガードのように隙間から転落するということもありません。
置く場所がある場合や、親戚や友人から借りれるなら、安全のためにも最初はベビーベッドを使うことをおすすめします。
ベッドガードは使い方に注意して取り付ける
大人と一緒のベッドで添い寝する場合は、赤ちゃん用のベッドガードが便利です。
2枚使いで隙間をなくす
ベッドガード1枚だけだと、どうしても隙間ができてしまい、身体が小さい赤ちゃんはそのわずかな隙間から転落してしまいます。
隙間からの転落を防ぐなら、ベッドガードを2枚、3枚使うのも手です。最近では、1枚の幅が90cmくらいの短いものが売られていますので、それを2枚並べるといいでしょう。一般的なベッドの長さは200cm~210cmとなりますので、十分ガードすることができます。
足元にも取り付ける
見落としがちなのは、ベッドの足元の部分。赤ちゃんは思った以上に寝返りをうったり寝相が悪かったりするものです。油断せず、足元にもしっかりとベッドガードを取り付けましょう。
ただ、あまりがちがちにベッドガードを取り付けてしまうと、大人が寝るとき、そのベッドガードをまたがないと寝られません。これが意外と大変。
その場合は、大人が出入りする隙間は確保し、その隙間に布団やクッションを敷いておくといいでしょう。
ガードを乗り越える危険が出たら外す
赤ちゃんが大きくなってずり這いやつかまり立ちをするようになると、ベッドガードを乗り越えて落ちる危険が出てきます。その場合、60cm以上のかなり高いところからの落下になり、とても危険。
ベッドガードにつかまって遊んだり、乗り越えようとする動きが見られたら、早めに取り外すようにしておきましょう。
そういった意味で、もともとベッドガードを使わないお母さんもとても多いです。
ガードがずれると窒息死する危険も!
大人用ベッドで寝ていた0歳の乳児が、ベッドガードとマットレスの間に挟まり死亡するという痛ましい事故が起きています。これは、取り付けていたベッドガードがずれたために、マットレスとの間に隙間ができ、そこに赤ちゃんが入り込んでしまった事例です。
(出典:朝日新聞デジタル 「ベッドガード」使用で乳児死亡 学会が注意呼びかけ)
似たような事故は他にもありますので、製品の取扱説明書をよく読み、正しい使い方をすることが大事です。
落ちない対策よりも落ちた時の対策をする
上記のように、ベビーベッドが使えなかったり、ベッドガードを敬遠するお母さんも多いことから、ベッドから落ちた時の対策の方を重視した方が現実的といえます。
ベッド周りに布団やクッションを置く
赤ちゃんがベッドから落ちた時に怖いのは、硬いフローリングで頭を打ってしまうこと。
それを防ぐために、ベッド周りに布団やクッションを敷いておきましょう。冬毛布をたたんだり丸めて置くのもいいですね。一部にベッドガードをつけている場合は、足元などガードしきれない部分に使います。
このとき気をつけないといけないのは、あまり柔らかすぎるものは置かないということ。落ちた時に顔がふさがり、窒息してしまうことがあるからです。
ベッドの下にラグやジョイントマットを敷く
ベッドの下に衝撃を緩和する厚手のラグマットやジョイントマット(極厚タイプ)を敷いておきましょう。硬いフローリングに比べると、ケガの心配も少なくなります。
ベッドに登り降りするようになった時、しりもちをついても安心です。冬は寝室の防寒対策にもなりますよ。
可能であれば布団やフロアベッドを考える
可能であれば、ベッドをやめて別の和室などで親子で布団寝もおすすめです。布団をしまう場所が必要なのと、毎日の上げ下ろしがデメリットにはなりますが。。
また、思い切って高さのないフロアベッド
に買い替える方もいらっしゃいます。フロアベッドだと、価格も安くお部屋がとても広くおしゃれに見えるというメリットがあり、赤ちゃんにも安全です。
最近では、2台を連結してかなり大きいワイドキングサイズにできるものも人気です。家族みんなで一緒に寝るスタイル、素敵ですね!
落ちた時の危険や、降り方も教えてあげる
一度ベッドから落ちてしまった赤ちゃんは、その痛みを覚えていて、端っこまで行くと怖がって泣くようにもなります。そうやって、痛さ、怖さを教えてあげることも必要でしょう。(頭を打たないように予防することは大事ですが)
また、よちよち歩きを始めると、目が覚めて自分でベッドから降りたがる子も出てきます。
そうなったら、ベッドからの降り方をちゃんと教えてあげましょう。後ろを向いて足からそーっと降りられるようになると、子供自身も自信がつき、成長していきます。親子のコミュニケーションにもつながりますよ。
頭を打ったら「#8000」に電話相談する
もし赤ちゃんがベッドから落ち、頭を強く打った場合などは、自己判断はせず、小児救急電話相談事業「#8000」に電話をかけましょう。住んでいる都道府県の相談窓口に自動転送されます。
こちらで、小児科医師や看護師から、お子さんの症状に応じた適切な対処方法や、受診する病院などのアドバイスがもらえます。
小児救急電話相談事業「#8000」(厚生労働省)ホームページ
まとめ
赤ちゃんを大人と同じベッドで寝かせる場合、転落の危険はつきものです。
そういった危険を予防するために、ベッドガードやクッションを使う場合は、さらに窒息などの危険が発生することも忘れないでくださいね。
また、落下事故が起きた場合は、大丈夫だろうと自己判断はせず、専門の相談窓口に相談することも大事です。