勾配天井(こうばいてんじょう)は、立体的な広がりと高いデザイン性をもつことから、インテリア通にも人気のスタイルです。
ただ、ベッドルームに勾配天井がある場合は、ベッドの配置や天窓の位置、天井の角度やバランスによっては、落ち着かない寝室になり、眠りの質を下げてしまうこともあります。
今回は、勾配天井の寝室にベッドを置くときの注意点について見ていきましょう。
勾配天井って何?
勾配天井というのは、天井が斜めの勾配になっている天井の事です。
平らな天井と比べると、傾斜に沿って空間が上に広がり、視線も上へと抜けていくので立体的な広がりを見せてくれます。
勾配天井には、天窓をつけたり梁(はり)を見せたりなど、デザイン性も高めやすいので「ワンランク上のインテリアにしたい!」という方にぴったり。新居には絶対に勾配天井を取り入れたい!という方が多いのもナットクですね。
寝室を勾配天井にするメリット
寝室の場合、そこまで広がりのある部屋が求められることは少なく、「勾配天井にする必要はないのでは?」といった意見もあります。
それでも、家の設計上、寝室が勾配天井になってしまうこともありますよね。
また、広がりのある空間で寝ることによって眠りの質がよくなる、という方も多いでしょう。
勾配天井の寝室の魅力、メリットには下記のようなものが挙げられます。
視線が抜ける
同じ広さの空間でも、勾配天井だと斜めになった角度にそって上へと視線が抜けるので、寝ていても開放感を感じることができます。
高い位置に窓をつけられるので部屋が明るくなる
勾配天井だと、高い位置にも窓を付ける事ができるようになります。隣りの家との距離が近くて、壁に窓がつけにくい場合にも有効ですね。
天窓(トップライト)をつけるのもいいですね。夜、星を眺めながら眠りにつけるなんて至極のひとときです。
窓をつけることで風通しが良くなる
取り付けた高窓や天窓(トップライト)によって、部屋の風通しが良くなるというのは、勾配天井の大きなメリットです。
風通しがよくなる理由は、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下に動くから。
普通の部屋だと、窓の位置はほぼ同じ高さですので、空気の温度差によって風通しがよくなるということはあまりないのです。
こんな魅力が勾配天井にはあるんですね。
勾配天井の寝室にベッドを置くときの注意点
それでは、ベッドを置くときの注意点について見ていきましょう。
斜めのラインが視界に入らないように配置する
勾配天井の寝室にベッドを置くときは、斜めの傾斜が視界に入らないようにすることがポイントです。
どういうことかイメージしにくい方は、下の写真が分かりやすいでしょう。
こちらの写真のようにベッドを配置すると、右上から左下に向かう斜めのラインが目に入りますよね。
インテリア風水でも、快眠を得るためには「鎮静化」した状態で寝るのが好ましいと言われています。このように斜めのラインが目に入ると、意識の中に動きが生まれてしまい、鎮静化した状態とはなりません。
枕は天井の低い方と高い方のどっちにするのがいいか
勾配天井のある寝室では、下の写真のように勾配の低い方にベッドを置いているケースをよく見かけます。
この場合、ベッドの足元まわりがとても使いやすくなりますね。フットベンチを置く場合も、こちらの配置の方が使いやすいでしょう。
ただ、風水的には勾配の高い方に枕がくるようにした方がいいとされています。なぜなら、気(エネルギー)が上から下に降りてきて、顔や頭にまともに当たるから。ゆったりとした気持ちで寝られないということですね。
インテリア風水についての記事はこちらもどうぞ。
→【インテリア風水】寝室の運気をアップする簡単テクニック11ヶ条
天井の高い方と低い方のどちらに枕を置くかは、斜めの角度や天井の高さにもよります。私の考えでは、寝室の使い勝手がよくなるように置くのが一番だと思います。
寝る以外にどんな動作をするか、起き上がりやすい高さは確保できているか、ベッドの正面にテレビを置くのかなどによって枕の位置は変わってくるものですから。
天窓の真下にはベッドを置かない
勾配天井に天窓をつけることは、健康面にも大きな効果があるのをご存じですか?
朝、自然光を浴びると体内時計の狂いがリセットされ、睡眠障害や認知症の改善にも役立つといわれています。うつ病やパニック障害も、自然光の不足が原因で起きることもあるのです。
注意したいのは、夏の直射日光の眩しさです。
天窓の真下にベッドを置くと、夏は眩しくて朝ゆっくり寝ることはできないでしょう。ほとんどの方は夏の間だけはお手製のカーテンで覆ったりしているようですね。
紫外線に関しては、最近の天窓はほぼ紫外線99%カットになっていますので安心です。
照明の位置とのバランスを考える
勾配天井の場合、一般的には吊り下げ式のペンダントライトか、勾配天井用ダウンライトが使われます。光が床に対して斜めの角度で照射することがなく、床に向かって垂直に照らすことができるからです。
寝室では、照明がベッドの真上にあると、光が直接目に入ってきて眠りにくくなることもあります。
勾配天井のあるベッドルームでは、お部屋の広さや設計上、どうしてもそういう位置になってしまうことがありますよね。
そういう場合は、フロアランプやフットライトなどの間接照明を取り入れましょう。優しい灯りで心地よく眠ることができますよ。
低いタイプのローベッドで空間を演出
勾配天井は、上に広く抜けるだけでなく、反対に天井が普通よりも低くなることもありますよね。
そんな部屋では、高さのないロータイプのベッドで、空間を広く活用しましょう。天井の低さをカバーでき、圧迫感も感じません。
また、脚がないフロアベッドもおすすめです。おしゃれな勾配天井とあいまって、より寝室が洗練された空間になりますよ。
まとめ
勾配天井のような斜めの天井は、風水を気にする方にとってはあまりいいスタイルではありません。
「風水なんて気にしないよ」という方にとっては、デザイン性のあるおしゃれなインテリアとして人気です。
上記の注意点に気をつけて、ベッドをうまく配置し、快適な寝室にしてくださいね。