ベッドの湿気やカビ、気になりますよね。だからといって「すのこベッドにしたら大丈夫。」というのは大きな間違い。湿気やカビの原因は、お部屋の環境やベッドの構造によって違い、それぞれに合った対策をすることが大切です。
今回は、ベッドの「湿気」と「カビ」のお話。正しい知識で、賢く対策をしていきましょう!
ベッドの周りの湿気について
ベッドの周りには湿気がいっぱい。イメージで見てみましょう。
空気中はもちろん、寝具やマットレス、さらにはベッドの下やフローリングにも湿気は多くひそんでいます。具体的に説明していきますね。
空気中の湿気
空気中の湿気は、部屋の気密性の高さや換気の状態によって変わります。ワンルームマンションなどの気密性の高い部屋は、窓も開けっ放しにできないところも多く、湿気がとてもこもりやすい場所。
また、窓が多く風通しがいい部屋でも、冬に加湿器を置いたりすると湿度は一気に上がります。
インフルエンザ対策として加湿器を使う方も多いでしょうが、インフルエンザの感染力が弱まるとされる「湿度50℃~60℃」は、カビが発生する条件のギリギリ一歩手前くらい。この湿度を大きく超えると、カビも一気に増えることになりかねません。
湿気の多い部屋の場合は、時々窓を開けたり、湿度計で50℃くらいになるよう上手に湿度をコントロールすることが大切です。
布団やマットレスの湿気
これは、寝ている間の寝汗によるもの。人は寝ている間にコップ一杯の汗をかくと言われますが、熱帯夜や梅雨の時期、また代謝のいいお子さんや男性はもっと多いでしょう。
この場合は、除湿用のシートや寝具のお手入れがカギとなります。
フローリングの結露
床は部屋の中で一番空気が冷たくなる場所です。そのため、結露が起きやすく湿気がちに。冬に床がひんやりと底冷えする、という方は特に注意が必要です。
マンションの2階で下が駐車場になっている場合も、床は冷えやすく結露が起きやすいと言えるでしょう。床に対する湿気対策が必要となります。
ベッド周りの3つのカビゾーン
上記のように、湿気が多い場所について見ていくと、ベッド周りでカビが生えやすい場所として、3つの「カビゾーン」があるのが分かります。
実は、このゾーンはどれも「布団とマットレス」「マットレスと床板」「ベッドの底と床」のように、何かと何かがくっついている場所です。(もしくはほとんど空間がない場所)
このカビゾーンの湿気をいかに取り除くかが、湿気対策のキーになるのです。
それぞれについて、対策を見ていきましょう。
カビゾーン1:かけ布団とマットレスの間
(マットレスの表面のカビ)
掛け布団やマットレスの表面は、寝汗に直接触れるところなので、カビが一番生えやすい場所。汗かきな男性やお子さん、また赤ちゃんのおねしょも要注意です。シーツをめくってみたら、上の写真のように汗による黄ばみや黒ずみ(カビ)がついていた!なんてことも多いですよね。
この場所の湿気がかなり多いという方は、以下の対策が効果的です。
- 寝汗シートや防水シートを敷く(必須)
- シートや寝具類はこまめに洗う
- 掛布団はこまめにめくっておく
これだけで、布団やマットレスの表面のカビはほぼ解消されます。冬でも布団には湿気がたまります。かけ布団をかけっぱなしでいると、寒い冬でもカビが生えることがあるので注意してくださいね。
カビゾーン2:マットレスとベッドの間
マットレスとベッドの床板との間も、カビが生えやすい場所です。これは、空気中の湿度が高いことが原因です。
よく、寝汗がマットレスにしみ込んで裏の部分にカビが生えると言う方がいらっしゃいますが、それはマットレスの種類によって全然変わってきます。
通気孔付きコイルマットレス | 湿気にくい |
---|---|
コイルマットレス | やや湿気にくい |
ウレタンマットレス | 湿気やすい |
布団(天日干し可能) | やや湿気やすい |
コイル系のマットレスは、中がほぼ空洞のため、寝汗による湿気がこもったり下に下りることは考えにくいです。反面、テンピュールやマニフレックスなどのウレタンフォーム系のマットレスは、中のウレタンに汗がしみ込み、湿気をどんどんため込んでしまいます。
布団もウレタンと似ていますが、布団の場合は手軽に天日干しができますので、あまり湿気をためこむことはありません。
よって、このカビゾーンを解消するポイントは2つ。
- 空気中の湿度をコントロールする
- 湿気をためないコイル式のマットレスにする
湿気対策をしっかりするためには、部屋に湿度計を置くのがおすすめですよ。
カビゾーン3:ベッドの裏と床の間
ここは意外と気づきにくい場所です。実は、フローリングなどの床は部屋の中でも一番温度が低い場所。そのため結露が起きやすく、ベッドの下に空間がないと、湿気がこもりカビが生えやすくなるのです。
引き出し収納ベッド、フロアベッドなど、脚がないタイプのベッドは要注意です。
床が冷たく、結露ができやすい部屋の場合は、以下の対策が必要となります。
- ベッド下に空間があるもの(脚付きベッド)にする
- 引き出しの場合は、定期的に引き出しを取り出して換気する
- 床の上に防湿シートを敷く
要は、フローリングの結露がベッドに移らないようにすることが肝心です。結露防止シートなどをうまく利用しましょう。
よくある間違った対策
「よかれと思って対策をとったのにカビが生えてしまった」という事例です。
とりあえずすのこベッドを買った
すのこベッド自体は通気性がよく、湿気対策としてもおすすめです。ただ、すのこベッドにしたからといってカビが生えないというわけではありません。寝汗対策として、汗取りシートは利用していますか?
テンピュールやマニフレックスのようなウレタンフォームのマットレスだと、寝汗対策や湿度対策をしていないと、マットレスに湿気がたまり、すのこにもカビが生えます。ボンネルコイルやポケットコイルマットレスがおすすめです。
また、「引き出し収納+すのこ」も注意が必要。すのこの床板の下が直接引き出しになっている場合は、マットレスや寝具の繊維やほこりがすのこの隙間から引き出しの中に落ち、それがカビやダニの原因となります。
湿気が怖いからフロアベッドは買わない
確かにフロアベッドは、床にべた置きしますので、ベッド下の通気性が悪くなります。ただ、風通しがいい寝室や、ほとんど結露がおこらない場所では特に問題はありません。
マットレスは定期的に立てかけている
マットレスの湿気除去のために、立てかけたり扇風機の風を当てるのはとてもいいことです。ただ、部屋の湿度が高いと、マットレスを干してもあまり効果がありません。
マットレスを干すよりは、部屋の湿度を下げることの方が優先であるケースもありますよ。
まとめ
ここで、もう一度湿気とカビについておさらいをしておきましょう。
- 部屋の中にはたくさんの湿気がある
- 湿気が多い場所同士がくっついたところがカビゾーンとなる
- それぞれのカビゾーンにあった湿気対策をする
「かけ布団とマットレスの間」
寝汗シートや防水シートを敷く(必須)
シートや寝具類はこまめに洗う
掛布団はこまめにめくっておく
「マットレスとベッドの間」
空気中の湿度をコントロールする
湿気をためないコイル式のマットレスにする
「ベッドの裏と床の間」
ベッド下に空間があるもの(脚付きベッド)にする
引き出しの場合は、定期的に引き出しを取り出して換気する
床の上に防湿シートを敷く
- カビゾーンが解消しにくい場合は、それにあった構造のベッドを使う
日本は世界の中でも有数の湿気大国です。梅雨の時期だけでなく、冬でもしっかりと湿気対策をし、快適な睡眠を手に入れてくださいね。