賃貸マンションなどでは、間取りの関係上、和室を寝室にせざるを得ないことがありますよね。
そんな場合にベッド派の方がぶち当たるのが「和室×ベッド」をどうコーディネートするかという課題。
畳、ふすま、押入れがあるくらいのごくごく普通の和室と洋風のベッドは、ともするとダサい印象になりがちです。
いっそのこと「畳の上にウッドカーペットを敷いてフローリング風にしちゃう」というのもアリですが、畳に湿気がこもりそうで心配ですよね。どうせなら、和室の雰囲気を生かしたカッコいいインテリアにしたいと思いませんか?
そんな方のために、こちらでは和室にベッドを合わせたとってもおしゃれなコーディネート事例をご紹介します。
インテリア上級者が作り上げる、畳や障子、ふすま、かもいなど「日本特有のアイテムを生かしたアイディア」は一見の価値あり!
すぐ真似できるテクニックが満載ですので、ぜひベッドルームに取り入れてくださいね。
目次
畳の質感を生かしたコーディネート
和室の場合、畳の占める面積が広く、い草の色や質感とベッドをどう合わせるかが一番のポイントになります。また、へりの色も紺、黄緑、緑といろいろあり、それぞれに表情が違うところも味わいがあります。
この写真では、ヘッドボードの木目が落ち着きのあるデザインなので、和室にしっかりとなじみ、融合しています。ベッドすらもともと日本古来の家具であるかのように錯覚してしまう、秀逸なテクニック。ただただ脱帽です。
他の家具や棚なども同系色の木製カラーでまとめられているので、畳の質感がより生かされているのもポイント。ところどころ懐古的な素材をとりいれつつ、ドライフラワーなどでシャビーなイメージも取り入れたテクニックが素敵ですね。
築60年近い賃貸マンションを、ご自分でリノベーションしながら住んでいるそうです。
賃貸でよく見られる、和室に脚付きマットレスを置いたコーディネート。畳の上にい草のマットを重ねるアイディアが素敵!天然素材のダブル使いが、お部屋に穏やかさをもたらしてくれますね。
全体的にシャビーな色合いでまとめているところも、和室に生かしたいテクニックです。ニトリのウォーターヒヤシンスのスツールは、夏らしい和のイメージにぴったり!
和室では、こういった低いスタイルでくつろぐのが一番心休まる時間。ロースタイルのマットレスベッドは、ちょっと持たれるのにも最適ですね。
また、かもいにバッグなどを吊るした「見せ収納」テクニックにも脱帽です。
和室には、脚付きマットレスベッドを活用している方が本当に多いです。ぜひ試してみてください!
畳のある和室を男前にコーディネートした事例。脚付きマットレスと素朴なデザインの棚をヘッドボードとして使っているのでしょうか。全体に低いスタイルに仕上げることで、和室にもあうベッドとなっています。
畳の代わりにフローリングでも全然OKですが、やはり畳だと落ち着きが全然違います。また、い草にしか出せない爽やかさがプラスされるのもメリット。カジュアルな柄のベッドシーツや観葉植物とあいまって、畳がまるで可愛いラグのようにも見えてきます。
女の子にもウケるモテ部屋になりますよ。
こちらも男性の一人暮らしの部屋、といったところでしょうか。シンプルな部屋ですが、畳のい草や縁(へり)の雰囲気でぐっと落ち着く部屋になっていますね。
こちらも脚付きマットレスを使っているのでしょう。ヘッドボードなどがない分枕元もすっきり。
黒いアイテムや濃い木目のサイドテーブルなどを使うことで、男前な部屋になっています。
こういった無骨な部屋にキュンとくる女の子も多いはず。
ふすまを駆使したコーディネート
ふすまも畳同様和のインパクトが大きいアイテム。いっそのこと取り外してしまうか、シンプルなデザインをうまく生かすかのどちらかになるでしょう。
2つの部屋の間のふすまを取り外して開放感を出しているコーディネート事例。寝室は、ダブルサイズのベッドを置くのがいっぱいいっぱいの狭い部屋ですが、広くゆったり使えるようにしたとてもいいお手本です。シンプルな脚付きマットレスにすることでさらにスッキリ!
脚付きマットレスは、厚手の布団に脚がついただけというイメージなので、和室にとても合わせやすいのが特徴です。
ネイビーのカバーは、和風にぴったりですしおしゃれ感もUPしますのでおすすめです。
こちらは女性の一人暮らしの部屋でしょうか。畳とふすまのある一般的な和室ですが、西海岸風のペンドルトン(PENDLETON)のカバーが印象的!
奥のふすまが、カジュアルなテイストに見えてくるから不思議ですね。こうした異文化の素材をミックスさせるテクニックは、かなり上級なものですが、最近ではドラマでもよく見られます。
ここでもシンプルな脚付きマットレスが使われていますね。
柱・かもい・長押のデザインを生かしたコーディネート
和室には、壁の上の方に横に張られた板があり、壁がその部分で分割されたようなイメージになっています。これらを鴨居(かもい)や長押(なげし)と言います。
「この柱やかもいが邪魔!」と嘆くのではなく、せっかく和室にベッドをコーディネートするなら、こういった和室独特のアイテムもぜひうまく調和させましょう!
こちらの上の方に見える竹製のかもいは、ご自分で取り付けたのでしょうか。畳だけでなく、こういったかもいがお部屋の上部にあるだけで、全体に和の雰囲気が漂います。
ベッド自体はヘッドボードも1枚板のシンプルなデザイン。こういったベッドを選ぶ場合には、木の色や木目などが他の家具と調和するものを選ぶのがポイントです。
上の写真は、かもいや窓近くの柱の色とベッドの色を合わせてコーディネートした事例。手前の部屋の畳と相まって、全体的に落ち着いた空間になっています。
ベージュの壁の色や、さりげなく置かれたグレーっぽいイームズチェアもまとまっていて素敵。
脚がついたステーションタイプのベッドが、こんなにも和に調和するなんてすごいですね。
こちらは、かもいを利用して、のれんやタペストリーを吊るし和風にアレンジした寝室事例。ターコイズのベッドカバーがインパクト大ですが、周りのグリーンや障子のやさしさが、その強烈な色を緩和させているようにも見えます。
こういった白い壁の和室なら、いろいろなテイストや素材を組み合わせて、自由なコーディネートができそうですね。
和室では、壁を縦に分断するような「色の濃い柱」がよく見られます。この重厚なイメージを生かさない手はありません!
落ち着いた木目に合うよう、ベッドもアンティークなヘッドボードのものを使用。サイドに置かれたチェストもアンティーク仕様でとっても素敵!
照明のシェードもアンティーク調のものを使うなど、こだわりが感じられます。
日本と外国の古きよき時代のアイテムがミックスし、ノスタルジックな寝室になっています。
障子の柔らかさを生かしたコーディネート
もう一つ、和室独特のアイテムが「障子」。最近の賃貸マンションでは少なくなってきましたが、窓がある場合はたいてい障子がついているのではないでしょうか。
カーテンと違い、つねに柔らかい光が差し込むので、独特の透け感や格子のデザインをうまく生かしたいですよね。
IKEAで大人気の激安ベッド、FJELLSE。木のフレームがシンプルですが、3本のラインを取り入れたデザインがおしゃれですよね。
そのFJELLSEをあえて障子のある和室に置くと、こんなに優しい雰囲気になります。
かもいの直線、障子の格子線、ベッドフレームのライン、すべてが細く華奢なので、圧迫感がなくとっても癒されます。
ワイヤーシェードのランプもとってもおしゃれ!
出典:http://roomclip.jp/photo/dLa3
本当に、ただ寝るだけの部屋、といった感じでしょうか。
こちらでもマットレスベッドが使われていて、とてもシンプルなイメージです。
だからこそ、アンティークなサイドチェストやランプもさりげない存在感をかもし出しています。障子から透ける優しい光で、きっと心地よく目覚めることができるのでしょうね。障子の格子柄が一番のアクセントになっています。
まるで高級和風旅館のような上品な寝室。部屋の中央にある障子を、あえて開けないようにし、ヘッドボードに見たてているアイディアが凄い!!
こんな発想、なかなかできませんよね。
また、両サイドにテーブルランプを置くことで、ホテルライクなイメージにも仕上がっています。
土壁には、丸い鏡を2つ取り付け、左右対称になるフォーカルポイントを作っているところなど、かなりの上級テクニックです!
和風家具と合わせた、外国人も好むコーディネート
和だんす、丸いちゃぶ台など昭和レトロな雰囲気が満載の可愛い和室。こちらに置いてあるのも脚付きマットレスですね。
上にかけてあるモチーフ編みのベッドカバーが、シンプルな脚付きマットレスによく合います。ブラウンとベージュの色合いが、この昭和レトロなイメージにぴったり。
このような和家具や畳のある和室は、外国人にとっても、かなり癒される空間になるでしょう。
こちらは、完全に外国人が好むよう、リメイクされた和室。桜吹雪のようなウォールステッカーは春の寝室にぴったりですね。
また、民芸調の和だんすは、外国人が好む和家具のテッパンアイテム。上に模擬刀を乗せるアイディアは、私たちも真似したいですね。
外国人の体格に合わせた、ロングサイズのマットレスを置いているようにも見えます。
アクセントクロスでがらりと印象を変えたコーディネート
出典:https://roomclip.jp/photo/r3sD
和室の壁の一部にオリジナルの壁紙を貼って印象を変えた事例。紺色の獅子地紋の壁紙は、大正ロマンな雰囲気もあっておしゃれですね。IKEAの照明BACKABOとの相性もバツグン!DIYで作ったパレットベッドがよく映える一室になっています。
このようにアクセントクロスを使うことで、平凡な和室がガラリと表情を変え、自分好みのインテリアに近づけることができます。
なにより、アクセントクロスは賃貸の部屋でも、壁の上からそのまま貼ってまたはがせるものもあり、退去時に余計な費用が掛かる心配もありませんよ。
こちらは、グレーのアクセントクロスを使った和室の事例。やさしいアイボリーのベッドカバーが和室に優しい雰囲気をプラスしています。模様の入ったカバーを使うのではなく、上質の生地のベッドリネンを使うのもポイントです。
シンプルなマットレスベッドだと、デスクワークに疲れた時にもちょっと横になるのにぴったり。布団ではできない快適さが得られます。見ているだけで落ち着くインテリアですね。
和モダンな新築にぴったりのコーディネート
和モダンな寝室には、フレームが美しいフロアベッドを合わせるのがおすすめ!シャープなフォルムがモダンなイメージを押さえつつ、低いスタイルが和室の雰囲気をさらにグレードアップしてくれます。
新築の和室には、へり無しの正方形の琉球畳が使われていることも多いでしょう。
へりがない分、ベッドもコーディネートしやすく、フレームの木目がより強調されますよ。
こちらもへりがない琉球畳に、ローベッドを組み合わせた事例。和モダンな部屋なので、あえて脚をスチールにしているところがおしゃれ!
さらに、布団をのせて使えるステージベッドなので、より和の雰囲気が楽しめます。
布団には縦が長いサイズのものも多いので、布団とあわせることができるベッドは長身の方にもおすすめです。
和モダンな寝室には、こちらの写真のような黒いベッドもとてもよく似合います。セメント調のクロスや、白い壁とのバランスも見事ですね!
こちらのベッドは下に収納用の引き出しもついているので、他にタンスやチェストを置く必要がないのも嬉しいですね。
また、ベッドカバーにもぜひこだわってみてください。和の雰囲気がより手軽に楽しめ、いろいろなアレンジも簡単にできますよ。
まとめ
和室にベッドを置くとなると、和と洋をうまくミックスさせられるか心配な方もいらっしゃいますよね。ホテルや旅館で、和風の部屋にベッドをうまく配置しているのは、プロのコーディネーターだからこそできるテクニック。和室にあうベッドを特別にオーダーしていることもあります。
私たち一般の賃貸の和室では、低いスタイルのマットレスベッドやフロアベッド、またシンプルな木目のフレームのものをチョイスするだけでも、こんなにおしゃれなコーディネートが楽しめます。
また、こちらで紹介した事例のほぼすべてで「畳の上に直接ベッドの脚を乗せている」ことにお気づきでしょうか。
賃貸マンションの和室にベッドを置くとき、畳の凹みや退去時の補償が気になる方は以下もどうぞ。
(参考)和室にベッドを置くときの4つの注意点&畳を傷めない方法
(参考)賃貸の和室にベッドを置きたい!畳の凹みと修繕費はどうなる?
脚付きマットレスについての記事はこちら。